
昔から本を読むのが好きで、今も様々な本を読んでいます。
ここでは、書籍を紹介しつつ、感じたことや情報を記していきます。
第1冊目は、「文系と理系はなぜ分かれたのか (星海社新書) 隠岐 さや香 著」を紹介します。
この本では、文系と理系がなぜ分かれたかを軸に、その過程と社会に対する影響が、5つの章に分けてまとめられています。
1.欧米における近代諸学問の成立:文系・理系の枠組みを生む要因となり、進化とともに文理の対立がなぜ生まれたか。
2.日本の近代化の過程や学問の変遷:文系・理系の対立構造にどのように影響を与えたのか。また、日本独自の文系・理系のあり方を明らかにする。
3.産業界での対立:産業界においても文系・理系は分かれている。これらの分野がどのように関係し、産業発展してきたか。
4.ジェンダー:文系・理系の枠組みがジェンダーにも影響を与えてきたか。
5.研究の「学際化」:研究の「学際化」が文系と理系の垣根をどのように取り扱い、今後どのように垣根を乗り越えつつあるか。
得られる知見
文系・理系は学問単体の中で分かれてきたのではなく、各時代の背景・産業や社会の発展と相互に影響しながら、進んできました。
その中で、次の3点は本書から得られる知見であると感じました。
・文系・理系と分けるのではなく、万物を一体で解決・説明できる真理が存在すると考える学派があった。
・江戸時代までは、欧米のような大学が日本には存在せず、大学の学問的なしがらみがなかった。
そこに明治維新が起き、日本は世界で初めて総合大学内に工学部を有することができた等、世界の最先端に躍り出て、学問が広がっていった。
・生物学的な男女の性差、体力差が、文系・理系の発展と男女の文系・理系の選択差に少なくない影響を与えてきた。
その差は、今後技術進歩で乗り越えられ、その度に女子の領域進出割合は増加していくだろう。
企業経営に生かす
最後に、企業経営の人事面を中心に、文系・理系の特性を踏まえた対応をとることで効果があると考えました。
経営者にとっては、異なる背景・専門性を持つ人材を活用することで新たな付加価値をもたらすため、協力しやすい環境を整える必要があります。
文系・理系の分野によって異なる言語やアプローチを持っており、コミュニケーションの面で衝突を避けるとともに、組織内での文系・理系のバランスにも気を配ることが大切になります。なお、異なるスキルセットを持つ人材を採用・育成することで、組織は変化に対応し、柔軟性を維持できます。
また、文系・理系の分離は社会的・歴史的な要因によるものですから、社会的な文脈を理解し、進展にあわせて考え方を変化していくことが求められます。

