
ここでは、書籍を紹介しつつ、感じたことや情報を記していきます。
第3冊目は、「最悪の予感: パンデミックとの戦い(早川書房)マイケル・ルイス著」を紹介します。
本書は、コロナ禍の真っ只中に発売されました。
パンデミックという未曾有の危機に直面した中で、公衆衛生に関する各当局の裏側と奮闘した英雄達の記録として、次の内容が記されています。
アメリカ政府のCDC(疾病予防管理センター)は感染症管理の頂点にありながら、地域の各保健衛生官にリスクと責任を負わせる官僚制の弊害が生じているのが実態で、現場感覚のなさや官僚的な事なかれ主義の蔓延が浮き彫りになっています。
こうした、危機対応の組織の中での意思決定やリーダーシップの在り方への洞察が記されています。
英雄は、平時の…
一方で、「アメリカのコロナ対策最大の貢献者」が2005年にブッシュ政権下で新型ウイルスの感染拡大を遅らせる斬新な発想を模索し、チームを組織した経緯が紹介されています。
彼らはトランプ大統領が危機を軽視する中で、早期に事態の深刻さに気づき、ダイヤモンド・プリンセス号の事例を通じて感染の予測に成功しました。パンデミックが起きた後に感染を食い止めるために現場の最前線にいる人々が大きな役割を果たし、彼らが持つ洞察力や柔軟性の重要性が強調されています。
平時から多様性を取込む、継続的に取り組み備えておく
危機対応では平時と異なるアプローチが必要であり、平時のエリート・組織の多数派の人には局面を打開できないことが克明に記録されています。
また、いわゆるアメリカ政治の「回転ドア」が、継続性のない事務組織や運営をもたらし、事態より深刻にしました。
平時から準備を続け、「この瞬間のために、人生をかけて準備してきた。」という少数派の人物によって大仕事が成し遂げられたのは一計に値します。この人物は、消防士の知見までも予測の考え方として活かすなど、先入観に捉われず異分野から学んでいました。
組織全体を危機に対処しやすくするため、平時から多様な考えを取り込んでおくとともに、継続的に活動しておくことの重要性が示唆されています。
